お手入れの方法について
草履を"粋"に履くために
草履をかっこよく履きこなす男性を"粋(いき)"な人と言います。
また、女性の場合は"艶(つや)"と言って、色気のある履き方であると言われます。
草履をかっこよく履きこなすためのコツを軽部草履がお教えします!
草履のかっこいい履き方とは?
草履のかっこいい履き方とはどのようなものか、それは、昔ながらの江戸っ子を見ていただくと良いでしょう。
かっこいい草履の履き方にこだわりを持つとび職の棟梁たちは、つま先が大きく反り返った草履を履かれています。
鼻緒には足のつま先だけを少し引っ掛けるような形でカカトは草履からはみ出すように履きます。これが"粋"な職人の草履の履き方なのだそうです。
おすすめの履き方
"粋"な履き方をされる職人さん達は本当にかっこいいのですが、一般の方々には非常に履きにくいうえに、転倒の危険などがありますので、もう少し楽な履き方をおすすめします。
おすすめの履き方ですが、まず、草履は靴のサイズから1cm~2cmほど小さい草履を選びます。
そして、少しきつめの鼻緒を奥まで足を入れずに、親指と人差し指の間で挟むようにして履くのがかっこいい履き方です。
小指やカカトがはみ出すのは普通?
草履を履くと、通常は草履から小指がはみ出します。
ですが、草履から足がはみ出すのは自然な事で、むしろ足が全て乗ってしまうような履き方は、かっこわるいとされて"野暮(やぼ)"だと言われてしまいます。小指は全て、薬指も半分程度は草履からはみだすのは普通で、むしろかっこいい事なのです。
また、カカトについても同じではみ出す履き方が普通で、1cm程度は草履から出して履くのが良いでしょう。
カカトがはみ出すのは、着物を着たときにカカトが全部乗ってしまうと、カカトと草履の間に着物の裾が入り込んで踏んでしまうのを避けるためだとも言われています。
現代では、あまり着物を着ることはありませんが、ズボンの裾を踏んで下がってしまう事もありますので、やはりカカトは少し出して履く事をおすすめします。
"野暮"な履き方?
草履の履き方であまりにかっこ悪い履き方をしていると、"野暮(やぼ)"と言われてしまいます。野暮は色々な意味で使われますが、広くは無粋な人だったり、風流な心に欠ける人など悪い意味で使われます。草履で歩く度にバタバタ音をたてたり、サイズの合わない草履を無理やり履いたりすると、このように言われてしまうかもしれません。是非、"粋"な人と呼ばれるように草履をかっこよく履きこなしてみましょう!
草履のお手入れ方法
草履を長くご愛用いただく為には、適切な保管とお手入れが欠かせません。いつも気持ちよく草履を履いていただくためのお手入れ方法を軽部草履がお教えします!
水濡れ厳禁!
草履は自然の植物素材で編まれています。さらに、高温の状態で金型に入れ、圧搾することで素材の水分を飛ばし、履きやすいように加工を施しています。
草履が水に濡れてしまうと、水分を吸収して元の素材に戻ろうとする力が働き、草履は編んだばかりの状態に戻ってしまいます。
草履が汚れた場合も、決して洗濯などはせずに適切なお手入れを心がけて下さい。
草履が汚れたら・・・
草履が汚れてしまった場合は、必要以上の水分は与えてはいけません。硬く絞った雑巾で汚れを拭き取り、湿度が低く風通しの良い日陰でゆっくりと乾かしましょう。直射日光を当てると確かに早く乾きはしますが、草履本体が暖められることで、接着面が弱くなってしまったり、他の素材が劣化しやすくなってしまったりする場合があります。
草履の保管方法
梅雨の雨の時期や冬の間など、草履を使用しない時期には、草履はそのまま玄関に置いておくのではなく、小さな箱に入れ、なるべく湿度の少なく、直射日光の当たらない下駄箱などにしまっておきましょう。天然素材の草履は、素材そのものが呼吸していますので、空気中の湿気から水分を取り込んでしまいます。また、箱などに入れても、高温になる場所では内部の湿度が上がって、逆にカビの発生の原因になってしまいます。
草履を保管する際は、必ず箱に入れ、湿度が少なく日光の当たらない下駄箱などに入れましょう。草履の下に吸湿材などを入れるとさらに良いと思いますが、成分によっては直接草履本体に触れると変質の原因になる可能性がありますので、草履の底材の下に入れる等の工夫をして下さい。